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外科

外科の概要

外科が担当する疾患は、食道癌、胃癌、大腸癌、肝癌、胆道癌、膵癌などの消化器の悪性疾患、胆石症、鼡径ヘルニア(脱腸)などの腹部良性疾患、虫垂炎、腸閉塞、消化管穿孔、腹膜炎、出血などの腹部救急疾患、乳癌などの乳腺疾患で、年間350例程度の手術を行っています。

月曜から金曜まで毎日の定時手術に加えて、緊急手術にも対応しています。

当院は厚生労働省から地域がん診療病院に指定されており、より高度で専門的ながん治療を提供するように心がけています。

傷が小さく痛みの少ない腹腔鏡手術には力を入れており、技術認定医を中心とした医療スタッフにより、虫垂炎や胆石・胆嚢炎ではほぼ全例で、大腸癌や胃癌では半数以上の症例において、腹腔鏡手術を行っております。鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡手術も行っており、患者様の早期社会復帰を実現しています。

抗がん剤治療緩和医療(ターミナルケア)にも積極的に取り組んでおり、癌患者様への切れ目ないサポートを行っています。一般的治療から専門性の高い医療まで、地域に根ざした総合的な外科診療が行えるよう取り組んでいます。

各種取り組み

痛みの少ない腹腔鏡手術を積極的に行っています。

腹腔鏡手術とはお腹に穴をあけて行う手術です。傷が小さいため、術後の痛みが少なく、早期に社会復帰することができます。当院では15年以上前から行っており、良好な成績を収めております。

最近では大腸癌の8割、胃癌の7割、胆石虫垂炎ではほぼ全例、成人鼠径ヘルニアでは7割程度を、腹腔鏡手術で行っております。

早期下部直腸癌に対する腹腔鏡手術での肛門括約筋温存手術を導入し、可能な限り人工肛門にならないように努めています。

また、高度な侵襲となる食道癌手術においても、患者様の負担を軽減するために、積極的に内視鏡外科手術を導入し、大きな開胸、開腹をすることなく、胸腔鏡下に食道切除、腹腔鏡補助下に再建術を行っています。

胆石症、急性虫垂炎などの良性疾患に対しては、より傷の小さな単孔式内視鏡外科手術や穴の数を減らした腹腔鏡外科手術(reduced port surgery)を行っています。

腹腔鏡下胃全摘術後の傷
腹腔鏡下大腸癌術後の傷

下部直腸癌に対し肛門温存手術を行っています。

下部直腸癌に対する治療は、癌をとると同時に人工肛門を作る必要がありました。当院では究極の肛門温存手術である超低位前方切除(Super LAR)括約筋間直腸切除術(ISR)を行うことにより、患者様が人工肛門を作らずに生活できるように努めています。(吻合部を保護するため一時的に人工肛門を作ることはありますが、術後半年ごろに閉鎖します。)

下部直腸癌に対する肛門温存手術は早期がんの患者様が対象となりますが、進行癌の患者様でも術前の抗がん剤治療で病変を縮小させることにより、肛門温存手術が可能になることもあります。

腸と肛門を吻合することになるので、術後に排便のコントロールが難しくなりますが、多くの場合時間と共に改善していきます。

出典:日本大腸肛門病学会ホームページ
「人工肛門を回避した直腸癌手術」

胸腔鏡と腹腔鏡を併用した食道癌手術を行っています。

高度な侵襲となる食道癌手術においても、患者様の負担を軽減するため、積極的に内視鏡外科手術を導入し、大きな開胸、開腹をすることなく、胸腔鏡下に食道切除、腹腔鏡補助下に再建術を行っています。

胸腔鏡写真
腹腔鏡写真
胸腔鏡による食道癌術後の傷

鼠経ヘルニア(脱腸)に対する腹腔鏡手術を行っています。

鼠経ヘルニア(脱腸)はお腹の壁の弱いところから腸が出てきてしまう病気で、治療方法は手術しかありません。当院では、鼠径ヘルニアや腹壁ヘルニアに対しても痛みの少ない腹腔鏡手術を行っています。お腹に5mmの穴を3か所開けるだけで治療することが出来るので、痛みが少なく、大半の患者様が手術の翌日に退院されます。

出典:メディコンのホームページ
鼠径ヘルニアの手術風景
腹腔内から人工筋膜で補強します。
出典:メディコンのホームページ

早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離(はくり)術(ESD)を行っています。

内視鏡的粘膜下層剥離(はくり)術(Endoscopic submucosal dissection:ESD)は、内視鏡で行う早期胃癌の治療です。手術に比べて入院日数が短く、また患者様への負担も軽くすることができます。

出典:オリンパスメディカルタウン

エビデンスに基づいた“抗がん剤治療”を行っています。

抗がん剤には点滴や飲み薬があり、癌細胞の増殖を抑えることにより、癌の進行をくい止める効果があります。血液の流れに乗って体の隅々まで行き渡るので、全身に広がってしまった高度進行癌に対して、最も良い治療方法となります。

抗がん剤治療の進歩は目覚ましく、以前なら2~3か月しかもたなかった患者様でも、遺伝子変異状況やタンパク発現状況をもとに複数の抗がん剤を組み合わせて使用することで、数年間元気に生活できることも多々あります。もちろん、副作用もありますが、予防薬の投与などの副作用対策や、抗がん剤の量をきめ細かく調節することにより、副作用を最小限にとどめ、効果的な治療を長期間行えるように努めています。

また、手術の効果を高める補助的抗がん剤治療により、手術だけでは治らなかった患者様を救うことができるようにもなりました。

当院では、日本や他の先進国で行われた臨床試験で効果があるとわかっている最新の抗がん剤治療を安全に行うシステムがあり、患者様に安心して抗がん剤治療を受けていただくことができる診療体制が構築されています。

抗がん剤治療は通院で行う場合と入院して行う場合があります。

当院のがん化学療法レジメンについて

がん化学療法レジメンとは

がん薬物療法における抗がん剤、輸液、支持療法等を組み合わせた時系列的な治療計画をいいます。
抗がん剤の投与量、投与スケジュール、治療期間等が記載された治療計画書になります。

保険薬局の方へ

院内の化学療法委員会で承認されたレジメンについて、医療関係者を対象に公開しています。患者さまの指導にご活用ください。
※このページでは、院内レジメンとして承認されたレジメンについて、その内容を保険薬局薬剤師などが利用するために公開するものです。本資料は、さんむ医療センターでがん治療を受ける患者さまの適正な投与管理を目的として提供されるものであり、その他の目的での用途は想定しておりません。また、投与量、投与スケジュールは、患者さまの状態によって変更される場合があります。

がん化学療法レジメン一覧

※クリックすると詳細をPDFにて表示します。

山武長生夷隅の「地域がん診療病院」に指定されています。

厚生労働省は、全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるよう、全国にがん診療連携拠点病院を402箇所指定しています。これらの医療機関においては、専門的ながん医療の提供、がん診療の地域連携協力体制の構築、がん患者・家族に対する相談支援及び情報提供等を行っています。

当院はこれまでの取り組みが認められ、山武長生夷隅の「地域がん診療病院」に指定されています。

NCDの外科手術・治療情報データベース事業に参加しています。

当院は、一般社団法人National Clinical Database(NCD)の外科手術・治療情報データベース事業に参加しています。

この事業は、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目指すプロジェクトです。この症例登録は、厳重な個人情報管理の元で、患者さんご自身から直接同意をいただかずに実施されますが、登録を希望されない方は主治医に相談してください。

NCDとは

一般法人社団National Clinical Databaseの略称で、良質な医療の提供を目的に、わが国の医療の現状を把握するために立ち上げられたものです。このたび日本全国の外科系施設における外科症例の全数把握を目的としたデータベース事業を開始することになりました。

主な診療対象と手術件数

主な診療対象

  • 消化器悪性疾患(食道癌、胃癌、大腸癌、肝癌、胆道癌、膵癌など)


  • 消化器良性疾患(胆石症、鼡径ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア、虫垂炎、憩室炎、腸閉塞、消化管穿孔、腹膜炎、消化管出血、痔など)

  • 乳腺疾患(乳癌、乳腺良性腫瘍など)

  • その他(腹部外傷、皮膚腫瘍など)

過去8年間の主な疾患の手術件数(2012年1月~2019年12月)

表はスクロールできます。

疾患腹腔鏡手術開腹手術内視鏡治療(ESD)合計
胃癌 113 85 25(4年間) 223
大腸癌 325 117   442
肝癌・胆道癌・膵癌 0 66 66
胆嚢炎 282 37 319
虫垂炎 196 8 204
鼠径ヘルニア(脱腸) 221 572 793
総数 1,137 885 25(4年間) 2,047

臨床研究

臨床研究の一覧

  • high-risk StageⅡ/StageⅢ大腸癌治癒切除例に対する術後補助化学療法としてのUFT/LV療法とTEGAFOX療法のランダム化第Ⅱ相試験(2012年7月承認、2016年3月終了)
  • 急性胆道炎における自動多項目同時遺伝子検出システムの有用性に関する検討大−多施設共同研究―(2018年1月承認)
  • 切除不能進行再発大腸癌2次治療におけるTAS-102+Bevacizumab療法:第Ⅱ相試験(2019年6月7日承認)

外科 診療予定表

外科 医師紹介

理事長
坂本 昭雄

  • 日本外科学会指導医・専門医
  • 日本消化器外科学会指導医・専門医
  • ピロリ菌感染症認定医
  • 緩和ケア研修会修了

院長
篠原 靖志

  • 日本消化器外科学会指導医・専門医
  • 日本外科学会専門医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 緩和ケアの基本教育に関する指導者研修会修了
  • 日本プライマリ・ケア連合学会指導医

副院長
西森 孝典

  • 日本外科学会専門医・認定医

院長補佐(医療情報部担当)
黒田 浩明

  • 日本外科学会専門医
  • 日本小児外科学会専門医
  • 緩和ケア研修会修了

医務部長
太田 義人

  • 千葉大学医学部臨床教授
  • 日本外科学会専門医・指導医
  • 日本消化器外科学会専門医・指導医
  • 日本内視鏡外科学会技術認定医
  • 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
  • 日本消化器病学会消化器病専門医
  • 日本大腸肛門病学会大腸肛門病専門医
  • 日本腹部救急医学会腹部救急認定医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
  • 日本乳癌学会乳腺認定医
  • 検診マンモグラフィ読影認定医

医務部長
吉田 祐一

  • 日本外科学会認定医
  • 日本化学療法学会認定医
  • 日本呼吸器内視鏡学会専門医
  • 日本総合健診医学会総合健診医
  • 医師の臨床研修に係る指導医講習会の開催指針指導医
  • 日本がん治療認定医機構暫定教育医
  • インフェクションコントロールドクター(ICD)認定医
  • 緩和ケア研修会修了
  • 日本慢性期医療学会リハビリテーション指示医認定講座「医師のためのリハビリテーション講座」修了
  • 「臨床研究の基礎知識講座(旧臨床研究入門初級編)」履修
  • 日本緩和医療学会緩和医療認定医

医長
須ノ内 康太

  • 日本外科学会認定医
  • 緩和ケア研修会修了

医長
碓井 麻美

  • 日本外科学会専門医・指導医
  • 日本消化器外科学会専門医
  • 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
  • 日本大腸肛門病学会専門医・指導医
  • 緩和ケア研修会修了

医長
髙橋 有未子

  • 日本外科学会専門医
  • 日本腹部救急医学会腹部救急認定医
  • 日本医師会認定産業医
  • 緩和ケア研修会修了

医員
中村 岳

  • 緩和ケア研修会修了